大動脈解離(だいどうみゃくかいり、Aortic Dissection)は、大動脈(体内の酸素や栄養を運ぶ主要な血管)の内部で壁が剥がれ、血液がその間に侵入する状態を指します。この状態は非常に危険で、急性大動脈解離と呼ばれることもあります。
大動脈解離は通常、高血圧や大動脈の壁に変化がある状態(例:動脈硬化)がある場合に発生しやすく、大動脈の内部に血液が侵入することで、新しい血道(通常は二つ)が形成されることがあります。この状態は、血液が通常の動脈路から外れ、新たな血道に沿って流れることで、体内の重要な臓器や組織に血液供給が十分に行かなくなる可能性があります。
急性大動脈解離は非常に重篤な状態であり、症状には突然の胸痛、背中の痛み、吐き気、嘔吐、動悸、意識の喪失などが含まれます。これは医療緊急事態であり、早期の診断と適切な治療が必要です。治療法には、手術的なアプローチ(血液の異常な流れを修復する手術)や薬物療法などが含まれることがあります。
大動脈解離は命にかかわる可能性があるため、発症した場合は速やかに医療専門家の指導を受ける必要があります。